
物語の舞台は東京都江戸川区小岩。
小岩と言う下町で古き良き日本の伝統文化である「街頭紙芝居師」として生活を営む中村卓也には、一人娘が居る。
娘の名前は桜子。
桜子は、街頭紙芝居で生活を営む父を助けながら、親子二人で何とか生活をしていた。日常の生活は決して裕福とは言えない中村親子であるが、貧しくとも明るく前向きな性格。その人柄で父は街で有名な「紙芝居のおじさん」として人気を博し、娘の桜子も明るい性格で、近所では同年代の友達も沢山居る。
そんな桜子は大のラグビーファン。
桜子の尋常ではないラグビー愛は、ついに7人制女性ラグビーチーム「小岩セブンズ」と言うチームを立ち上げてしまうまでに。桜子が勢いと情熱だけで作った小岩セブンズ。桜子はそのチームでキャプテンも務めている。
桜子に誘われ女子7人が集まったのだが、所詮はラグビーをやってみたいと言う興味だけで集まった素人集団。どうやって練習をしたら良いかも分からず、何となく目標もないまま日々を過ごしていた。そんなある日、桜子はラグビーニュースサイトで、トンガセブンスの代表選手に選ばれた日系人、ノフォムリ・オカティーの記事を目にする。
桜子はこの記事に驚愕した。実はこのノフォムリは紙芝居師、中村卓也の妹の息子であり、つまり桜子とは従兄弟関係である。桜子が記事を目にした時、ノフォムリは日本から遠く離れたトンガで、家族と共に生活を送っていた。
桜子は、従兄弟がトンガセブンズの代表入りを果たした記事を前に大興奮。またもや持ち前の勢いと情熱だけで、従兄弟のノフォムリに小岩セブンズのコーチを依頼してしまう。
だが、血は争えないと言うべきか、ノフォムリも情熱家。親戚からの頼み事と言うだけで、熱くこみ上げる血族愛が湧き上がり、いとも簡単に桜子からの頼みを二つ返事で引き受ける。こうして桜子はノフォムリにチームコーチをお願いしたのだが、日本での滞在期間は一時的なオフ休暇を利用した訪日なので極めて短い。
この物語はキャプテンである中村桜子を筆頭にした7人制ラグビーチーム小岩セブンズとトンガ人コーチ、ノフォムリ・オカティを中心に物語は進む。
日本の伝統文化や下町の風土が豊かな人間性を育み、最後はラグビーと言うスポーツが国境や民族を超え、小岩セブンズに関わる人たち全員が一つになる。汗と泥にまみれた愛と感動のストーリー。全編を通し、実に「人間臭い」小岩セブンズの成長物語。

競技
15人制のラグビーと同じフィールドを使って、7分から10分ハーフで試合は行われる。
広いフィールドを少ない人数でカバーするため、ボールが大きく動き、スピードとアジリティ、ハンドリングスキルが重要。エキサイティングで流れるようなプレーが見どころ。
男女のセブンズはオリンピックの正式競技(2016年リオデジャネイロオリンピックから)。また、セブンズ・ワールドカップも4年に一度開催される。
主なルール
1.プレーヤーの人数
フィールド上でプレーするのは7人。
交替/入替:1チームあたり5名まで入替あるいは交替することができる。
2.試合時間
14分以内(7分ハーフ)。
※大会の決勝戦については、試合時間は20分以内で行うことができる。(10分ハーフ)
3.ハーフタイム
ハーフタイムは2分以内。
4.競技規則
基本的には15人制と同様の競技規則となるが、試合時間やいくつかの項目で変更事項がある。
セブンズの競技規則はこちら
5.ポジション
フォワード(FW)3名とバックス(BK)4名で形成。
■プロップ(PR)2名 / フッカー(HO) ・・・FW3名
■スクラムハーフ(SH) / スタンドオフ(SO) / センター(CTB) / ウィング(WTB) ・・・BK4名
6.スクラム
スクラムは、1列になった3名ずつのプレーヤーで形成される。
7.シンビン(一時退出)
不当なプレーなどにより、レフリーよりシンビン(一時的退出)となった場合は、2分間一時退出となる。
7人制ラグビーの歴史
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1883年
【世界】スコットランド南部、イングランドとの国境近くにあるボーダーズ地方で誕生。発案者は、 アダム・エドワード・ヘイグ。創立以来ずっと財政難に悩まされていたスコットランド メルローズのクラブチームを救おうと、資金調達のため15人制よりも実施しやすい、7人で行うラグビーを考案。メルローズクラブあげてのスポーツイベントに組み込んだ
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【世界】セブンズワールドシリーズ誕生。1999年12月の『ドバイセブンズ』を皮切りに毎年し、世界各地で行われる大会での成績をそれぞれポイント換算し、その合計で年間チャンピオンを決めるシステムが確立された
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1998年12月
【世界】アジアオリンピック評議会が主催し、4年に一度開催されている「アジア競技大会」。タイ・バンコクで行われた第13回大会で15人制とセブンズの2種目が正式種目に採用された。
近年の日本女子7人制ラグビーの歴史
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2010年
【世界】アジア競技大会 女子セブンズ日本代表は大会5位
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2014年
【世界】アジア競技大会 女子セブンズ日本代表 銀メダル獲得
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【国内】セブンズ女子日本一を決める「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」誕生
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【世界】女子日本代表が女子セブンズワールドシリーズブラジル大会で過去最高位となる7位に
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2015年
【世界】リオデジャネイロオリンピック アジア予選開催。
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【世界】2016年リオデジャネイロオリンピックからセブンズが正式競技に採用されることが決定。この時、日本女子サクラセブンズは大会結果10位